2017年8月11日金曜日

デザインの源流  縄文女子2

 青森縄文女子プロジェクトの縄文服デザインに応募する方のために、縄文土器のデザインその2です。
          → あおもり縄文女子プロジェクト モデル・デザイン募集チラシ

 もっとも古い縄文土器の文様は、粘土を細い紐にして並行に貼り付けたり、爪で傷をつけたりしまたものです。やがて縄をおしあてて、土器の表面に縄の跡を付け始めます。これらはいずれも身の回りにあるものを使っていたため、文様を付けるための特別な道具を必要としていません。

 文様を付ける道具が初めて作られたのは、縄文時代早期の事です。押型文と呼ばれるこの文様は、木の枝などの棒状のものに刻み目を付けたものを、土器の表面に押し付けながら転がしたもので、山形(三角形)、楕円形、菱形などの文様を連続してつけることが可能でした。中でも、三角形のモチーフは、様々に組み合わせることによりかなり複雑な文様を描くことを可能にしています。縄文土器の紋様の「モチーフ」は三角形から始まったと言っても過言ではありません。


 たとえば、大きさの違う三角形を重ねた物でも、中心をそろえたもの(A)と辺を合わせたもの(B)では、かなり印象が変わります。さらに、それを何段か重ねたとき、単純に重ねたものとずらして重ねたものでも、描かれる文様は変わってきます。特にBのタイプは重ね方やずらし方、反転のさせ方で様々なパターンを描くことが出来ます。
 三角形のモチーフは早期だけではなく、後期まで時折取り入れられ、縄文時代の人たちがこの文様を好んでいたことがうかがわれます。

 そしてもう一つ、縄文時代の人たちが好んで用いたモチーフに渦巻きがあります。ただ、メインのモチーフとして用いられているのは東北地方では縄文時代中期の中頃から後半にかけての時期です。


 それまではアクセントとして全体にちりばめられた渦巻きは、やがて巨大化し土器の表面を覆い尽くします。もちろん、その周りに小さな渦巻きも散りばめられています。やがてその渦巻きは連結し、唐草文様を描くようになります。東北地方だと、かなり大きな唐草文様でどれがメインの渦巻きであるか一目瞭然のものと、小さめの渦巻きが縦横に連結したものと、二つのタイプが見られます。やがてそれぞれの渦巻きが切り離され、区画され、整然とそろえられていきます。

 縄文土器の文様を考えるときに大切なのはモチーフだけではなく、1)組み合わせ、2)配置、3)メインとアクセントです。この文様をヒントに、あなただけのオリジナルデザインを完成させてくださいね!

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