令和元年12月21日、じょーもぴあ宮畑で奇跡の庭~じかん島のひみつ~が上演されました。札幌市こどもの札幌市こどもの劇場やまびこ座/子ども人形劇場こぐま座の皆さんと人形劇師沢則行さんが作り上げた人と人形が、時間と空間が、過去と未来が交錯する魅惑的な人形劇です。
「縄文時代」が取り持つ縁と言えばそうなのかもしれませんが、やまびこ座、こぐま座、沢則行さんとじょーもぴあ宮畑は、もしかすると数千年前からこうなるさだめだったのかもしれません。というと大げさに聞こえるかもしれませんが、縄文時代の劇を縄文遺跡で上演するということは、きっと必然なのでしょう。
もとあれ、主人公たちと我々は舟に乗り、じかん島へと旅立ちました。
じかん島は掘れば掘るほど過去が現在になる不思議な地層を持っています。
主人公たちがその地層にたどりつくと……人のあやまちや正義や、欲望や希望がボクらの前に立ち現れます。
過ちの後ろに希望があり、正義の後ろに欲望がある…
「人はどこからきてどこへ行くのか」は哲学ですが、「人は何をしてきてなにをしていくのか」はまさに考古学の領域です。
主人公たちは未来への希望を手にするために、さらに深く掘り進みます。
そこで主人公たちが見たものは……
操り人形あり、文楽ばりの二人遣いの人形あり、人と人形が絡み合って混然となった幻想的な、しかも涙あり笑いありの無二の空間。60名を超える観客は一人残らず息をのみ、この世界の住人となっていました。終演後、観客たちはまるで魂の抜けた人形のようにソロソロと家路につきましたが、きっとこの物語は、いつか何かの拍子に少しだけ心の表面を揺らすその時まで、見た人々の心のなかに静かに沈んでいくのでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿